PSGはネイマールを放出すべきなのか?

 

PSGの二大巨頭はブラジル代表FWネイマールとフランス代表FWキリアン・ムバッペだ。

 

彼らは同じ2017-18シーズンに花の都にやってきた。しかも二人とも歴史上最高額の移籍金で。 

 

 

入団当初は、今シーズンマンチェスターユナイテッドに電撃移籍したウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニとのPKを巡る不和はあったものの、チームは国内で敵なしの状態。

 

しかし、二人を連れてきた、いや、特にネイマールを連れてきた目的であるビッグイヤーの獲得にはいまだに至っていない。

 

昨季こそ準優勝だったが、やはり欧州レベルでは経験値が足りないのだろう。

 

 

ネイマールバルセロナからの電撃移籍当時から、バルセロナ復帰をはじめ、レアル・マドリードなどのビッグクラブへの移籍のうわさが絶えなかった。

 

PSGでの生活に満足しているのか、先日には契約延長報道まで出ていたのだが、ここにきてネイマールの放出案が浮上している。

 

今回はいくつかの報道について検証してみたい。

 

 

 

 

①C.ロナウドとのトレードでユベントス移籍

この案も最近出た報道だが、実現性は低いだろう。

 

そもそも新型コロナウイルスの影響で各クラブの財政状況が厳しく、クラブ1の高給取りであるポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドを放出したいユベントスの思惑が背景にある案だが、ネイマールもなかなかの高給取りだ。

 

年俸比較

C.ロナウド:3100万€

ネイマール:3680万€

 

クラブレベルでは年齢も若いネイマールのほうが収入は上なわけである。

つまりトレードが実現したとしても、金銭的なメリットがあるのはPSGだろう。

 

ただ、契約期間に関しては、C.ロナウドネイマールともに2022年までとなっており、どちらかが契約延長をしなければ実現する可能性は残される。

 

②ムバッペの契約延長のために移籍

おそらく現時点で最新の話題はこれだろう。

PSGは二大巨頭体制を維持するのが厳しいため、より若く、給料も低いムバッペと昇給を絡めた契約延長をし、それに伴いネイマールを放出するという案である。

 

しかしこの案もうまくいくとは限らない。

前述の通りほとんどのクラブはコロナウイルスの影響で財政状態が厳しく、選手たちが給与のカットを受け入れている状態なので、そもそものネイマールの放出先が見つからない可能性がある。少なくともトレードが必要だろう。

 

そして、より深刻な問題はムバッペの意思だ。

 

フランス代表の若きストライカーは2022年までの契約を延長するつもりはなく、ステップアップを模索しているようなのだ。

 

年齢的にも契約が切れる頃には23歳、2022-23シーズンには24歳になっているわけだ。

 

ムバッペが自身のアイドルと公言しているC.ロナウドも、24歳だった2009-10シーズンにマンチェスター・ユナイテッドからレアル・マドリードに移籍している。

 

つまり、ムバッペの契約延長は困難と考えられ、この案の実現性はネイマールの放出先問題とムバッペの契約延長の双方の観点から極めて実現可能性が低いと考えられる。

 

③他選手のトレードを含めたバルセロナへの復帰

 現時点で意外に可能性が高いのはこの案かもしれない。

 

移籍してすぐの段階からバルセロナへの復帰は取り上げられているが、違約金支払いの問題をはじめとするいくつかの障壁があった。

 

しかし、バルセロナのバルトメウ会長が辞任し、成績不振でクーマン監督が更迭されて元スペイン代表MFシャビ・エルナンデス(現アル・サッド監督)が監督として招聘されれば事態が変化するかもしれない。

 

もちろんトレード要因の筆頭候補はフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンだろう。

そもそもグリーズマンバルセロナに移籍してすぐの段階からこのトレード案は浮上しており、両クラブ共にメリットのある取引だ。

 

PSGはネイマールの放出で多額のサラリーを節約できる上に、フランス代表のエースを迎え入れられる。

アルゼンチン代表FWマウロ・イカルディとややポジションが被ってしまう可能性はあるが、フランス代表でコンビを組むムバッペとの相性は良いだろうからチームにはフィットするだろう。

おまけにムバッペの短期間の契約延長につなげられる可能性や、ネイマールのトレードだけでなくムバッペまで移籍した場合の埋め合わせができる。

 

バルセロナにもメリットはある。

高額移籍だったにもかかわらずなかなか順応できず、ファンからの信頼を掴めていないグリーズマンを放出し、MSNという史上最高級のトリデンテの一角が還ってくるのだから、ビッグイヤー獲得の機運が高まる。

 

もちろんウルグアイ代表FWルイス・スアレスアトレティコ・マドリードに移籍してしまったためMSNは見れないかもしれないが、フランス代表FWウスマン・デンベレが飛躍する起爆剤になるかもしれない。(デンベレは以前ネイマールとのトレードでPSGに行くことを拒んだので、トレード要因にはならないだろう。)

 

それに、メッシがこのまま来夏にフリー移籍した場合、スターがいなくなってしまうバルセロナにとってネイマールほどありがたい存在はいないだろう。

 

 

おわりに

スター選手ほど移籍に関しては様々な要因が絡んでくるので予想することは難しい。

 

一番可能性が高いシナリオは、ムバッペ移籍でネイマールと契約延長するものだと考えているが、二大巨頭を両方放出してグリーズマンの獲得や、メッシとネイマールの電撃トレードなんかもあるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

2020/11/25